ァジァ環境保全再生のための有用微生物を活用した省エネ高度水処理技法の展開方策

摘要

生活系•産業系のおもな生物処理法としての活性汚泥法，生物膜法などのなかで，浄化槽では生物膜法が，ほとんどの下水処理場をはじめとする事業場等では活性汚泥法が採用されている。良好な窒素，リンの除去を行なううえでは，生物処理反応槽内においてサイクリックに嫌気好気環境を形成することにより，生物学的脱窒反応による窒素除去，生物学的リンの過剰摂取によるリン除去が可能となる。わが国の環境基準の達成率および閉鎖性水域の有毒ァォコ等発生による富栄養化の現状を鑑みると，有機物を対象とした処理方法は当然のこと，窒素，リン除去などを省エネルギー•高度化対応型で行なうことが必要不可欠である。同時に，派生バイオマスの適正対策も重要である。また，現在では電力供給の源である化石燃料の消費抑制によるco_2削減が国際的に重要な位置付けとなっていることから，下水処理等において電力消費の50%近くを占めている生物処理における曝気空気量の最適なエネルギー空気量制御が最重要となっている。このような汚水処理の省エネルギ一高度化においては，生息する微生物の機能が最大限に発揮できるように微生物反応を最適化することが必要である。 本報では，有用微生物を活用した省エネルギー高度処理化のために微生物反応の基本原理がきわめて重要であることからこれらの点を踏まえて，その最適方策について述べることにする。