ポリエチレンスリーブの防食効果に関する実験的研究

摘要

ダクタイル鋳鉄管の外面防食として広く使用されているポリエチレンスリーブ被覆には、腐食 性土壌と配水管の接触を防止し腐食電流を絶縁することによる腐食防止の効果や腐食の進行を防止する効果がある。しかし、実際の埋設状況では、被覆が損傷し防食効果が発揮されないことなどから、ポリエチレンスリープを被覆したダクタイル鋳鉄管に腐食が発生し、漏水が生じた事例もある。 管路の耐久性や今後の管路更新時期の検討には、この防食効果を定量的に評価する必要性がある。し かし、この防食効果について実験し、電気化学的な視点から定量的に分析した研究はまだない。 本研究では、この防食効果の定量的分析を行った。その結果、ポリエチレンスリーブ被覆は、腐食電 流を90%以上抑制することが確認できた。また、ポリエチレンスリーブが損傷した場合においても、腐食電流を80%以上抑制することが確認できた。