縄文は日本文化のルーツ

摘要

「北海道·北東北の縄文遺跡群」が7月に世界文化遺産に登録される。先史時代の文化遺産登録は、日本で初めてだ。世界の人々に「JOMON」を知ってもらえるので、観光への期待も膨らむ。もっとも、学術的な価値がそのまま観光的価値になるわけではない。縄文遺跡というと三内丸山遺跡の復元された大型建造物が思い浮かぶが、もともと目に見える建物などは残っていない。遺跡の価値が分かり難いうえに、教科書でもながらく狩猟採集の未開で野蛮な時代と語られていたので関心度も低い。縄文時代は約1万年間も続く日本独自の時代区分で、1万年を説明して理解してもらうことは容易でない。登録を好機として、多くの日本人に「縄文」に関心を持ってもらい価値に気付いてもらうには、魅力的な見せ方が重要なポイントになる。