商用車の運行情報は物流業界の生産性向上にどれほど役立つか

摘要

安全政策の一環による大型商用車のタコグラフ装着義務化などにより，クラウド型デジタルタコグラフおよびそれと連携して運行管理を支援するクラウドサービスが20万台以上で利用されている。ここから得られる情報は「商用車プローブ」として営業秘密保持等厳格なルールの下,交通計画分野で利用されている。一方日本の物流業界は低生産性·労働力不足等から経営環境はますます厳しくなっている。これを解消するため「商用車プローブ」の精緻な走行情報を物流業界の事業者向けに加工した「物流プローブ」として提供する取組みを進めてきた。具体的には，物流不動産業者に対する不動産活用価値の情報提供，ホワイト物流の視点で陸運事業者向けの適正運行ルート策定手法の提供や「働き方改革」を促進するモーダルシフト化の支援等である。また，これまで手付かずだったトレーラの情報を簡易に管理しさらなる物流の可視化等を推進する方策も準備しており，合わせて報告する。