周波数領域自己回帰モデルを応用したバケットエレベータ低速転がり軸受の状態監視•診断法: 稼働中のプラント內実機に適用した場合の実用性

摘要

化学プラントや食品加工工場では製品の原材料を垂直搬送するためにチェーン-スプロケット系の構造を持つバケットエレベータが使用されている。チェーン-スプロケットには原材料を運搬するためのバケツトが多数，装着されている。またチェーン-スプロケット系は転がり軸受によって上下の軸が支持されている。構造上，上部の転がり軸受にはバケツトエレベータの自重および原材料の重量が作用する。この転がり軸受の損傷によりバケットエレベータが停止すると全製造ラインに影響が及び，生産効率は低下し，莫大な損失が発生する。これらを未然に防止するためにバケットエレベータの転がり軸受の状態や損傷を簡便かつ高精度に監視•診断する方法が求められている。本稿ではAE(Acoustic Emission)センサを用い，得られた周波数領域データに対して自己回帰モデルを応用した手法を適用することでバケツトエレベータの低速転がり軸受の高精度な状態監視•診断法を提案している。