都心の超高層ビルの上層階から眼下を臨むと,街の様子がに取るように見えて楽しくしばし見とれてしまう.行きかう自動車や電車はジォラマのようだ.特に夜間の無数の街明かりや橋梁のシルエツトは美しい.しかし視覚的な眺望とは裏腹に音響的に見た場合には.遮るものが少ない分Ground to Airの直接音が街の至る所から伝搬して重畳するため,音源からかなり距離があるのにも関わらず騒音レベルは思いのほか大きい.また移動する自動車一台一台の音はもはや認識できず街全体の音が下から湧き上がってくるように感じる.更に.騒音レベルの変動は小さいので大きなレベルがずつと継続して心休まる時がない.超高層マンションの場合,サッシに使われる窓ガラスの厚みなどの性能を風压に対する強度だけで設計してしまうと,ときに音響的な遮音性が十分でなく室内でもかなり大きな騒音に常時さらされることになる.
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