土砂災害の低減のための豪雨の予測と土壌雨量指数の高精度化

摘要

太平洋の西端かつユーラシア大陸の東端に位置する我が国は，地勢的に梅雨前線が停滞し，大型の台風が来襲するなど，大雨が起こりやすい気象条件があり，斜面崩壊などの土砂災害も多く発生する。地形が複雑であるため，それに応じて雨量も局地的に激しくなる場合が多い。近年，気象庁では土砂災害の起こりやすさを示す目安として「土壌雨量指数」というものを用いている。これまでに降った雨がどれだけ土壌中に貯留されているかをみるもので，全国の陸地を5km× 5 km メッシュ毎に約14 000 メッシュに区切り，気象レーダ情報をもとに，3段直列タンクの各タンクの水量を合算した値である。