『SOILS AND FOUNDATIONS (地盤工学会論文報告集)』Vol.53, No.1(2013年2月発行）掲載論文の概要

摘要

本論文は，地盤定数の空間的ばらつき，地盤調査における計測誤差，限られた実験数から地盤定数を予測することで生じる統計的推定誤差及び回帰式の不確実性を考慮した地盤定数の確率統計的モデル化を行い，斜面の信頼性解析に適用したものである。地盤定数の空間的ばらつきのモデル化では，地盤定数を空間平均することに起因して，統計値の分散の値が減少することを考慮するだけでなく，地盤調査の計測誤差やバイアスの効果を新たに組み込んでいる。以上のような地盤定数の確率統計的モデルを斜面の安定問題に適用し，地盤定数の実測値とその計測位置を反映させた条件とそれらを反映させない無条件において斜面の崩壊確率を計算した。