酸性雨モニタリングと陸水への影響

摘要

北東アジア・東南アジアを含む東アジア地域では，経済発展が続き，化石燃料燃焼をともなう工業や畜産を含む農業活動の活性化により，硫黄酸化物，窒素酸化物，アンモニアの大気への放出が増大している。これら酸性物質や窒素化合物の大気から森林生態系への沈着は，土壌や植生だけでなく，そこに流れる渓流・河川や湖沼の酸性化や富栄養化を引き起こす可能性があり，いわゆる酸性雨問題は，依然として，東アジアの今日的課題である。