実験廃液の自己処理による効果と処理例

摘要

化学分析会社や理工系学部のある大学の実験室からは日々多量の実験廃液が排出されている。廃液は取りあえず倉庫等に保管されるが，ある程度量が溜った時点で処理業者に引き渡される。処理料金は含有成分や量によって変わるが，最近は上昇傾向にある。もっとも大きな原因は運搬料金の大幅な値上りである。大都市郊外は次々と宅地開発が進んでいくため，従来から操業していた処理業者の敷地周辺がいつのまにか住宅地域に変貌してしまう。そして周辺住民と協議の結果，処理業者の多くは次第に人里離れた奥地へと移転することになる。そのため運搬費は年々上昇していく。最近は原油価格も高騰しているため，自動車等の燃料費がさらに運搬コストを急上昇させている。