六角川の成り立ちと治水事業の経緯 〜洪水対策と高瀨対策〜

摘要

六角川水系は、佐賀県の佐賀•白石平野を流れる流域面積341km~2、幹線流路延長47kmの緩流低平地蛇行河川である。流域の山地面積は全体の37%と他河川と比較して少ないのが特徴で、河床勾配も下流部では1/45，000と非常に緩い。また、干満差が約6mに及ぶ有明海に面しているため、六角川で河口から約29km、支川牛津川でも合流点から約12km上流まで潮汐の影響を受ける感潮河川である。そのため、河道内には有明海特有のガタ土が堆積しゃすく、内水被害が発生しやすい地域特性を有している。本稿では、全国的にも希な六角川の成り立ちと治水事業の経緯について紹介する。