短波放射の日周変動に対する大気•海洋結合境界層の応答に関する研究

摘要

Recent studies revealed that an atmospheric boundary layer responds significantly to spatial variations of sea surface temperature (SST).Here we investigate responses of an air-sea coupled boundary layer to diurnal variations in solar radiation, by conducting one dimensional numerical experiments and analyzing moored-buoy data and satellite data. Significant responses of the coupled boundary layer (SST and sea surface wind (SSW)) are identified in both observed buoy data and numerical experiments. Satellite data show significant dependence of diurnal amplitude of SSW variations on latitude and season. Numerical experiments suggest that this dependence is related to latitudinal difference in mean wind speed and mean heat flux between atmosphere and ocean.%大気海洋相互作用は、エルニーニョ・南方振動やモンスーンなどに代表されるような、我々の生産活動や日常生活に大きく影響しうる気象現象の発生•維持機構に密接に関連している。その大気海洋相互作用を考える上で、海面熱フラックスは最も重要な気象要素のひとつだと考えられている。そのため、海面熱フラックスの時空間的な変化がどのようにして、またどの程度大気・海洋に影響しうるのかを正しく理解することは、気象・海象分野において非常に重要な主題である。近年では、Smalletal.(2008)やCheltonetal.(2004)といった、海洋フロント周辺における海洋大気境界層に焦点を当てた研究によって、海面水温(SST)の空間的な変化が海面風応力に影響を与えていることが示唆されている。一方、SSTは時間的にも変化し、とりわけ日周期変動は他の周期変動に比べて時間スケールに対する変化量が大きく、大気•海洋の状態変化に大きく寄与している可能性がある。しかしながらSSTの日変化に対する大気・海洋応答に関して、その素過程については未だ十分な議論がなされていない。このような観点から、本研究では熱フラックスの日変化成分が大気•海洋結合境界層に与える影響について調べることを目的とし、大気海洋結合モデル及びブイ•衛星による観測资料を用いて大気•海洋結合境界層の日周期変動について調べた。