高架橋との連成を考慮した高架上家の簡易な応答変位予測手法

摘要

高架橋の上部に付随する旅客上家(以下，高架上家)は，高架上家の重量が高架橋と比べて軽いため，条件によっては地震応答が大きくなることが懸念されます。高架上家の地震応答は，高架橋との相互作用を考慮した一体モデルによる算定が理想的ですが，使用材料や設計体系が異なるため設計に大きな労力が必要となります。一方，鉄道構造物等設計標準•同解説耐震設計には，高架橋との相互作用を考慮した電車線柱の応答算出法が示されており，この考え方は高架上家にも適用可能とされています。ただし，電車線柱と高架上家では構造形態(架構形式や基礎構造など)が異なるため，高架上家の特徴を考慮した応答量算出方法を確立することが重要です。そこで，高架上家の応答性状に与える構造特性を整理し，高架橋および高架上家それぞれの構造設計で得られる情報から，高架上家の連成系応答変位の簡易予測法を開発し，L2地震動スぺクトルⅡでの適用性を検証しました。