斜面の不安定箇所の抽出方法

摘要

鉄道では，必要に応じて豪雨などにより発生する斜面災害の素因や発生危険度を評価して対策を行うほか，雨量に応じた運転規制を行うことで，列車の安全を確保しています。斜面災害の発生危険度を評価するためには，まず,不安定な斜面を見つけることが重要ですが，鉄道沿線の用地外を含むすべての斜面を調査するためには膨大な時間や経費がかかります。そこで，航空レーザー測量により作成した数値標高モデル(Digital Elevation Model；DEM)と数値表層モデル(Digital Surface Model；DSM)(図1)を用いて，迅速かつ客観的に斜面の不安定箇所を抽出する手法を開発しました。本発明を用いれば，線路延長が10km程度の範囲であれば，解析に要する時間は約1日であり，迅速に斜面の不安定箇所を抽出することができます。