性能向上へ小型化·高容量化、高許容リプル電流化など推進

摘要

アルミ電解コンデンサの基本構造および等価回路を図1に示す。エツチングにより表面積を拡大した高純度(99.9%以上)アルミ箔(はく)表面に誘電体(絶縁体)となる酸化アルミ薄膜を任意の厚さ(耐電圧)になるよろに形成した陽極箔と、同様に表面積を拡大した純度の劣るアルミ陰極箔の間に、電解液を含浸させた電解紙(セパレータ)を挟んで円筒状に巻き込んだものが基本構造となつている。これをアルミケースに入れ、様々な封口材で封止した外装構造となっている。図中の等価回路に示すよろに、陽極箔表面の誘電体によるCR並列成分(抵抗Rは漏れ電流を表している)だけではなく、陰極箔表面もまた非常に薄い酸化アルミ薄膜が存在し、CR並列成分を考慮しなければならない。従って、コンデンサ全体の静電容量は陽極と陰極それぞれの容量の合成(合成容量の逆数=陽極容量の逆数+陰極容量の逆数)となり、陽極容量を最大限に引き出すために十分に大きな静電容量の陰極箔を対向させている。また、比較的抵抗の大きな電解液を用いているため、陰極と陽極の間の抵抗成分がコンヂンサ性能に大きく寄与する。ちなみに、等価回路中のダイオードは逆電圧により誘電体の絶縁性が失われることを表現している。