高度成長期に建設された超高層建物の長周期地震動に対する応答特性: 想定南海トラフ地震の関西地域における予測波を用いた検討

摘要

南海トラフでの地震は過去100～150年の間隔で繰り返し発生しており，文部科学省地震調査研究推進本部の長期評価では2006年1月1日から30年以内に発生する確率は南海地震（M8.4前後）が50％程度，東南海地震（M8.1前後）が60％程度とされている．内閣府中央防災会議が公表した予測震度や被害予想は甚大であり，防災対策の推進が強化され，地震学や耐震工学の分野で地震動と被害の予測や対策の検討が進められている．プレート境界を震源とする巨大地震により，大規模堆積盆地域では長周期成分が卓越した継続時間の長い地震動が発生することが知られている．