中間スチフナで補剛された上フランジ連続拘束梁の座屈性状と補剛位置決定法

摘要

鋼構造H形断面部材はしばしば上フランジに床スラブゃ母屋による連続的または断続的な拘束を受ける場合がある.この時拘束された上フランジが水平変位および材軸回りの回転に抵抗することによつて，部材性能が向上する.上フランジ拘束時の横座屈ではゥェブの変形が伴い，上フランジに作用する応力の正負により座屈性状も大きく異なる.各種設計指針においても上フランジの連続拘束を考慮した横座屈に関する記述がある.鋼構造許容応力度設計規準および鋼構造限界状態設計指針•同解説では曲げ材の横座屈を圧縮応力が作用する断面の圧縮座屈と捉えることにより，必要補剛剛性の最小値と弾性圧縮座屈耐カを示している.鋼構造座屈設計指針では，連続拘束を受けるフランジに作用する応力の正負により場合分けされる横座屈モーメント式およびゥェブの変形による上下フランジのねじり剛性の低下率を式として示している.さらに鋼構造塑性設計指針においても，スラブ付梁として連続拘束梁の耐カおよび塑性変形倍率の評価式が記載されており，近年の研究により，上フランジ連続拘束梁の座屈性状が広く認知されつつある.