阪神高速道路玉出入路橋の床版取替工事: 軽量な平板型UFC床版を用いた床版取替え

摘要

阪神高速道路15号堺線玉出入路橋は，昭和44年に供用開始した鋼単純合成鈑桁橋である。既設RC床版の厚さは180mmであり，床版下面への鋼板接着にて補強が施されていたが，床版に損傷が確認されたことから床版取替えを行うこととなった。更新床版には使用性や疲労耐久性のほか，鋼桁および下部構造への負担低減や，地震時の安全性の確保の観点から軽さが求められる。また，床版取替え前後において舗装厚の確保や縦断線形への影響を避けるために薄さも求められる。これらのニーズに応えるため，2011年より阪神高速道路と鹿島建設の共同研究で.超高強度繊維補強コンクリート（以下，UFC)を用いたUFC床版を開発しており，本橋に軽量な平板型のUFC床版が更新床版として国内で初めて適用された。本稿では，平板型UFC床版が適用された入路橋の床版取替え工事の概要，UFC床版の特徴.設計や実適用に向けて行った実験の概要および施工の状況について報告する。