染料の変異原性効果に関する経済的に有利な研究一小規模標準エームズ試験（Ames Test）

摘要

サルモネラ菌逆突然変異試験法（エームズ試験、OECD 471）はヨーロッパのREACH戦略において、化学物質中の変異原性効果を試験する代表的な試験方法である。「ヨーロッパの染色業界のための新しい持続可能なバイオプロセス」（Sophied,NMP2-CT-2004-50589）に関する事業において、新しく開発される多種類の染料見本を選別するのに、迅速な変異原性試験方法が必要となった。染料見本の試験では、試料の畳がごく少量しか得られないのが難点である。一般に標準的なェームズ試験では、普通のべトリ皿を使って試験するが、この小規模試験では、6個のマイクロ・ウェルプレートとべトリ皿を使用して、必要な試料の量が少量で済む利点があり、試験の手間もかからず、試験の経費も安く上がる特長がある。標準的なェームズ試験の結果とこの小規模エームズ試験の結果を比較したところ、両者の結果はよく一致した。したがって、この試験方法は、染料の迅速なスクリーニング試験に利用できることが確認された。