クベルカームンク理論に基づいたファンデーション塗布肌の分光反射率の推定

摘要

ファンデーションは肌の基本的な色を決定づける重要な化粧品である．ファンデーションを塗布しrnた肌の色を推定できれば，様々な分野で有用である．本論文では，クベルカームンク理論に基づくファンデーション塗布肌の分光反射率推定手法を提案する．クベルカームンク理論は混濁物質層における光の透過と反射の計算に有効な理論である．提案手法では，まずファンデーション塗布肌について，素肌層と素肌を覆うファンデーション層の2層で構成される光学モデルを仮定する．そして，クベルカームンク理論により，ファンデーション層の分光透過率と分光反射率をファンデーションの散乱係数，吸収係数及び層の厚みから計算する．更に，光学モデルに基づき，素肌の分光反射率とファンデーション層の分光透過率及び分光反射率からファンデーション塗布肌の分rn光反射率を推定する．実験において，まず擬似ファンデーション塗布肌の分光反射率を推定し，推定精度を確認した・そして，実際のファンデーション塗布肌について数種類の色や成分のファンデーション及び様々な肌の状態における分光反射率推定を行った結果，いずれの場合も推定誤差は小さく，提案手法が有効であることを示す．