血管位置追尾型血流計の開発と肘の屈伸運動中の血流計測

摘要

超音波ドップラー法を使った運動中の血流計測は，活動筋の干渉を受けて血管位置が移動するため，rn計測には様々な制約を伴い，被験者の負担も大きかった．そこで，超音波Bモード画像から血管位置の移動を随rn時求め，あらかじめ複数個列状に配された超音波ドップラーブロープの送受信位置を血管直上に相当するチャネrnルに切り換えることにより，運動中でも計測できる「血管位置追尾型血流計」を試作した．この装置は表皮にプrnローブを固定するため，表皮形状の変化などにより，通勤中には対象血管への超音波ビームの入射角度が変動すrnる．本論文では，角度補正をロール，ピッチ，ヨ一について計測評価し，その補正方法を示した．そして，このrn装置を成人男性の左上腕部に取り付け，上腕動脈と上腕静脈を対象に肘関節の屈伸運動中の血流計測を行った．rn適用実験ではセンサが計測対象血管を圧迫し血流動態に影響を与えないようにカバーカップを取り付けた．そのrn結果，屈伸前後での動脈径の変化は微小で，静脈径は屈時に22%減少したが，観測された血流動態の変化には影rn響が認められず，試作した装置が運動中の連続血流計測に有効であることが確認された．