重いソフト開発プロセスから脱却小規模組織向けの規格が登場: 新興国の主導で「ISO／IEC2911q」が成立、規格の根幹部分は無償公開へ

摘要

数十人の小規模なソフトウエア開発組織に向けた、軽量かつコンパクトな開発プロセスに関して国際規格が成立した。「ISO／IEC29110」である注1）。CMMI†など従来の開発プロセスは主に大規模なプロジェクトを想定しており、それを小規模プロジェクトに適用するには負荷が重かった。今回の規格は最小限の項目に絞り込み、小規模な組織が現実的に運用できる開発プロセスになっている。　同規格は、先進国の企業からオフショア開発を請け負うことの多い新興国が主導して策定した。具体的には、ブラジル、ペルー、メキシコなどの南米諸国およびタイの発案で2004年ごろに策定が始まった。タイは日本などから、南米諸国は米国などからの開発の請け負いを想定している。