宇宙をみつめつづけるハッブル宇宙望遠鏡

摘要

大きな画像は，私たちが住む天の川銀河の伴銀河（衛星のような小さな銀河）の一つ，「大マゼラン雲」を地上の望遠鏡で撮影したものだ。大マゼラン雲は地球からの距離が約16万3000光年と非常に近い。枠内の画像は，大マゼラン雲の中にある星団をハッブル宇宙望遠鏡で撮影したものだ。この星団には「セフアイド」という変光星（周期的に明るさがかわる恒星）が含まれている。セフアイドの明るさの変動を精密に観測すれば，大マゼラン雲までの距離を正確に推定できることが知られている。こうして求めた大マゼラン雲までの距離は，現在の宇宙の膨張速度に当たる「ハッブル定数」を求めるのにも使われる。