YKK80ビル

摘要

YKK80ビルは,1963 (昭和38)年より本社を置いていた神田和泉町に，旧本社より敷地を拡張し，YKKグループの新たな拠点として完成した.敷地は，首都高速道路が走る昭和通りに面して，秋葉原の街に接している.この地に，グローバル企業であるYKKグループの拠点にふさわしい存在感のあるデザインとすること，また,社員が安全に働きやすいオフィスビルとしての機能性•信頼性•快適性を追求すること，さらに，ものづくりの歴史がある周辺地域への情報発信や貢献をテーマに計画に取り組んだ.メインファサードとなる昭和通りに面する西面外装は，アルミ押出型材のスクリーンと庇，クライマーブラ()内蔵ダブルスキンウィンドウを組み合わせ，厳しい日射()などの外部環境の影響をやわらげ，室内側からはコントロールされた眺望が確保できるようにした.通りに面して約60×36mの大きな構えとなることから，スクリーンはY字型断面をした繊細なアルミ押出型材を2レヤーに並ベ，全体に均質感がありながら変化に富む表情を模索し，都市の喧騷に向き合う1枚の大きなファブリックのような表現とした.