尾道駅

摘要

尾道駅は，広島県尾道市にあるJR西日本山陽本線の地上駅である.駅舎は交通広場だけでなく尾道水道や向島など瀬戸内の風景を含hだ大きな広がりに面している.駅舎に降り立った人びとは，改札を抜けると瀬戸内の陽光と潮風が通り抜けるコンコースで，尾道に来たという実感と旅情を味わいながら駅前広場へと導かれる.駅前広場から駅舎を見返すと，広場に対して真一文字に低く深い庇を伸ばした構えが.駅としての正面性を示すと共に，上昇する屋根面の連なりが背景となる山へと視線を導ぐ第一世代の尾道駅を参照した大屋根は，見ようによっては長屋門のような佇まいであるが，実際は2階建てで，大屋根に穿たれた東西に長い開口は尾道水道の景観を楽しむことのできる眺望デッキとなっている.こめデッキは2階の一部床をプラットホーフム上部に張り出すことで確保することができたが，同時にプラットホーム側に鉄道に近い居場所をつくることにもなつた.コンコ一スとデッキを繋ぐ階段は，観光案内所を抱え込hだ巨大な棚とすることで，地元のイベント情報や物産品などを紹介する立体的な町のギャラリーとなることを，している.