既存建築ストックを活かすには

摘要

—建築基準法の一部を改正する法律が2018年6月27日に公布されました（一部2018年9月25日施行，1年以内施行の項目は2019年6月までに施行予定).その項目のひとつに，既存建築ストックの活用のための法改正があります.既存建築ストック活用のための衝去改修や再生に携わる建築再構企画の佐久間悠さんに，今回の法改正により何わが可能になるのか.設計は何に気を付ける必要があるのか，お話を伺います.まずは既存建築ストックに関わる法改正の内容について教えていただけますか？既存建築ストックの活用は，2018年6月に政府が閣議決定した「未来投資戦略2018」の中で，特に建物に関わる項目として木材利用促進と共に掲げられている大きな指針のひとつです.今回公布された法改正のリノベーションに関するふたつの大きな目的は，「戸建て住宅等の用途変更に伴う制限の合理化」と「大規模な建築物等に関わる制限の合理化」になります.