須賀川市民交流センターtette: SUKAGAWA COMMUNITY CENTER TETTE

摘要

東側外観.2011年の東日本大震災で被害を受けた総合福祉センターの建て替えプロジェクト.図書館機能や生涯学習機能などを加え市民交流センターとしている.実績のある組織設計事務所と40歳以下の若手建築家を「デザインァーキテクト」として協働することを条件にしたプロポーザルで石本建築事務所と畝森泰行建築設計事務所チームが選定された.スラブをずらしながら配置する構成を取ることで，テラスやさまざまな内部空間を生み出している.東日本大震災の復興事業として福島県須賀川市につくられた複合施設である.震災によって甚大な被害を受けた街の中心地に図書館，生涯学習，子育て支援，ミュージアムなど複数の機能を持つ活動の場をつくることで，失われた街の賑わいと市民交流の再生を目指してつくられた.歴史ある目抜き通りに面する敷地に，周囲の民家に配慮しながらスラブ（床）を細かく分け，少しずつセットバックしながら積層している.スラブをずらすことで外部には多くのテラスが生まれ，人びとが街に向かって活動する場となり，また内部に生まれる吹き抜けはそれぞれのフロアを断面的，視覚的に繋いでいる.施設のェントランスである1階は約2.5mある敷地の高低差を結んだスロープ状の空間とし，坂の多い須賀川の街が入り込んでくるような開放感の中，待合いやカフェ，ィベントスペースなどを設けた.上階も各フロアを緩やかな階段やスロープで結んでおり，街を歩くように建物全体を巡ることができる.