草津巿立老上西小学校

摘要

JR南草津駅の開業に伴う活発な宅地開発により、県内有数のマンモス校となった老上小学校の分離新設である。巿内で14校目となる小学校は、宿場町草津から東海道•矢橋道を経由し、近世において湖南の主要な舟の渡し場であり、「急がば回れ」の語源でも知られる矢橋町に位置している。近江八景「矢橋の帰帆」として歴史的にも名の知れたこの地において、地域住民や保護者、各種関係団体と調整を図りながら、地域と連携した学校づくりを目指した。小学校を中心に地域の人々が集いみんなが元気になるような、優しさと温かい情感あふれる施設づくりを目指した。矢橋地域の広がりのある田園風景や、住宅•鎮守の森などと一体となった集落景観を継承するため、黒い屋根と土壁色を基調としながら、集落のような低層の分散配置とすることで、親しみやすく地域に溶け込んだ景観をつくり出している。