第21回マロニエ建築観賞(建築文化部門)佐野清澄高等学校佐山記念体育館

摘要

バスケットボールコート2面が'入る広さをもち、学内行事や地域イベントなどの利用も考慮された高等学校の体育館である。下部を鉄筋コンクリート造、上部を鉄骨造の入れ子となった構法をとって建物自体の高さを抑え、周囲の環境になじませることに成功している。体育館床チャンバーへ温風炉からの暖気を導入して冬期の行事を快適に行うことができ、夏期の通風、換気などへの細かな配慮、既存校舎との連絡路ゃスロープの動線も合理的で機能的に優れている。さらに、キャットウォーク周りは木質パネルで仕上げ、演壇後部のピクチャーウインドウと併せて質の高い空間を創りだしている。本作品は、制約ある敷地条件を止揚した建物内外にわたるデザインの秀逸さと、優れた機能性が評価され、マロニエ建築·景観賞(建築文化部門)にふさわしいものとして決定した。