ハント級護衛駆逐艦

摘要

イギリス海軍は第一次大戦の際、ドイツ海軍の無制限潜水艦作戦で受けた大損害から、「次の戦争」が勃発する際には商船に船団を組ませ、それを戦時に急速建造する護衛艦で守る、という方針を打ち立てた。今问紹介するハント級護衛駆逐艦は、この「急速建造する護衛艦」として設計・建造された駆逐艦である。 「急速建造」とは言え、本級は第二次大戦前の平和な時代に設計されたため、戦争勃発直前に建造されることになったフラヮー級コルべットよりゆとりのある設計だった。要するに、外洋航行に適した設計をはじめから取り入れ、軍艦としての船体構造を取り入れていた(フラヮー級の商船構造は雑音がひどくて自艦のソナーの効きを悪くし、敵艦のソナーに探知されやすい)。一方、本級の武装は対空・対潜兵装のみに割りきられた。仮想敵国であるドイッの水上艦隊は大した規模でないため、主力艦艇で押さえ込めると言う自信が海軍にあったことと、魚雷を積むために設計をやり直すと急速建造が難しくなる、という判断があったためである。