日本を支えた生糸その技術開発と生糸品質

摘要

2014(平成26)年6月25日に、「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界文化遺産に登録された。国民はもとより、シルク業界にとっても喜ばしい限りである。これまで、その実現に向け努力を重ねてきた群馬県•富岡巿をはじめ諸開連団体、とりわけ富岡製糸場で1939(昭和14)年から1987(昭和62)年までの半世紀に直って操業し、その後も建物を維持•管理してきた片倉工業株式会社に多大なる敬意を表したい。また長年、製糸研究に携わってきた筆者らにとっても、「製糸」というフレーズが世界遺産に加わることは感無量である。