ランニングフォーム診断システム「F.O.R.M.」開発紹介

摘要

近年，多くの都市でマラソン大会が行われるようになり，それに伴ってランナーの数は年々増加している.巿場でも数多くのランニング雑誌が発行され，トレーニング理論や用具，レースに関する情報など，ランニングを行う上で必要な様々な情報が得られる環境が出来上がっている.そういった中で，ランナーが共通して持っている要望として，「自分の走り方は良い走り方なのかどうか」という点が挙げられる.良いランニングフォームとはどういったものか，という理論や指導書は数多くあるが，多くはその理論が一面的であり，且つ指導内容が定性的なものが多い.一方，走り方の良し悪しについてはバイオメカ二タスの観点からも数多くの研究が行われてきている.Cavanaghらは，運動の良し悪しを判断する指標として，efficiency(効率)，economy(経済性)，effectiveness(有効性)に分類して評価すべきであると述べている.また，Williamsらはランニング動作をパフォーマンスとランニングェコノミーの両面から評価しており，走行能力の高さとキネマテイクスパラメータとの関係について定量的な関連性を示している.