アイトラッキングによるマンモグラフィ撮影時の注視点検出: 熟練者と初学者の比較

摘要

公益財団法人日本医療機能評価機構による医療事故に関する第21回報告書の中で，放射線検査に関連した医療事故，ヒャリ•ハット事例が取り上げられている.その中で，2009年10月1日〜2010年3月31日の間に報告された放射線検査に関連したヒャリ•ハツト発生件数は898件で，検査の種類別ではX線検査室内での事例が約半数の440件となっており，背景要因としては，患者の確認不足，機器操作の経験不足などが挙げられている~(1〜2)).また，放射線部門での検査や治療における医療安全に関する患者対象のアンケート調査報告では，患者が抱く安全性の疑問点の一つとして「再撮影」が指摘されており,「事故がない」「失敗がない」「深刻なトラブルがない」安全な医療の提供には，患者看視が不可欠であるとしている~(3)).