直轄改修の父　沖野忠雄: 日本の直轄治水事業を手掛けた男

摘要

日本において「土木」という枠組みが確立された明治から昭和初期にかけての時代、歴史の礎となる土木技術者が多数活躍した。長い鎖国の時代に、独自の技術思想が発展していた日本の土木は、開国によって流れ込hできた西洋の技術によって、大きな変容を遂げた。多くの外国人技術者を雇い、河川·鉄道·電力·水道等の整備が進み、技術者育成も積極的に進められていた。古市公威に続き土木学会の第2代会長を務めた沖野忠雄は、荒波のような近代土木の中核を担ってきた。内務省で河川に携わり続け、「直轄事業の父」とも呼ばれるほど、治水業にまい進し、明治期の日本の河川行政を形づくった人物であった。