インフラ維持管理における三次元計測の活用

摘要

笹子トンネルの崩落事故を契機に国や地方自治体などが管理する橋梁は、5年に1度の定期点検が義務付けられた。この点検の際には交通規制を伴うことにより時間と労力(コスト)の負担が大きくなり、安全性においても危険を伴うなどの課題も多い。また、点検車が立ち入れない部位においては近接目視点検が義務化されているにもかかわらず、十分に実施できていないのが現状である。定期点検マニュアルに沿った点検調書は専門的な記号を駆使しており、構造物を管理する地方自治体の職員でも理解が容易でないなどの課題が露呈している。このようなことから、足場等の設置が不要で、簡易的に点検できる新技術の活用や点検調書において損傷箇所を一目瞭然で把握できる維持管理の三次元モデル化技術の社会実装が期待されており、筆者らはICT技術を活用したインフラ維持管理に取り組hでいる。橋梁を主体としてトンネル·発電所や建築物など、画像解析からひび割れ損傷のイメージを三次元化することが可能であり、その適用対象は多岐にわたる。今回、インフラ維持管理における三次元モデル化の技術について紹介する。