平成27年における重要なエネルギー関係事項

摘要

世界経済は，2012年のユーロ圏債務危機の影響から徐々に回復傾向にある。米国経済は景気回復が続いており，欧州経済は原油安やユーロ安などを背景に緩やかに回復している。一方で，世界経済の牽引役である中国の経済は減速している。また，資源価格下落の影響を受け，新興国の景気も下押しされている。しかし，これらの国では減速してもなお高い経済成長率を維持している。IMF,"World Economic Outlook"(2016年4月)によると，2015年における世界全体の実質GDPは対前年比+3.1%となった。このうち，先.進国の経済成長率は，国内景気が好調な米国が牽引し，同+1.9%(米国：同+2.4%，ユーロ圏：同+1.6%，日本；同+0.5%)となった。また，中国は同+6.9%，インドは同+7.3%となった。なお，新興国全体での経済成長率は同+4.0%であった。