集合住宅の騒音防止設計入門NPO法人建築音響共同研究機構編

摘要

建築物内外の騒音問題は，基準値や目標値を満足し ていれば生じないというわけではない。人の聴覚の違 い，使用状況などが大きく関与してくるためである。 特に集合住宅は，壁や床などを介するのみで隣人と接 しているため，生活スタィルの違いなどから騒音問題 を生じるリスクが高い。そのため，設計段階における 十分な騒音対策の検討が必要となる。しかしながら， 十分な検討がなされているかといえば，設計関係者に 音環境に関する知識を有している者がいればそれなり には行われているが,いない場合には意味も分からぬ ままに何かの資料から参考図を引用する程度であるこ とも多い。"音"は単位がdBであり，聞き慣れない用 語も多いので，理解しにくいことが要因であると考え られる。