音響に関連した標準化と学会の役割: ISO規格，IEC規格，JIS

摘要

長さや重さなど暮らしに必要な量の単位を決め，広く使われるようにすることは，古代から安定で暮らし易い社会を作るために必須の社会基盤でした。その後，測ることは，仕様の共通した「もの」を作ることにつながってきました。近代のネジを例に取ると，どこの会社が作ったものでも同じように使えるよう，定まった径とピッチで作られるようになりました。そして現代では，量や「もの」のみならず，その量り方や測定機器，更には特定の目的(例えば食品安全を確保するため)の業務プロセスまでも含めて，同じ値や方式をとる「こと」が，産業や流通の発展と，社会の豊かさに必須であると認められるようになっています。言い換えれば現代は，実に様々な量，もの，ことに開する決まりごとが定められるようになった時代と言えるでしょう。