新名誉会員紹介

摘要

鈴木陽一君昭和29年1月生鈴木陽一先生は1981年3月に東北大学大学院工学研究科博士課程後期3年の課程を修了，「複合音のマスキングに関する研究」により工学博士の学位を取得されました。同年4月には東北大学電気通信研究所助手として任官，以降も，聴覚，音響情報処理に関する研究教育を継続的に行ってこられました。ラウドネスに関する研究では，等ラウドネスレべル曲線の全可聴帯域精密測定と国際規格全面改定が特筆されるでしよう。1985年に開始された国際標準化機構(ISO)の改定作業に当初から参画され，1999年からはISOのプロジェクトリーダの指名を受け，日米欧の研究者からなる国際共同研究グループを率いてISO226:2003の策定に尽力されました。また，先生は，1990年代に盛hに行われたディジタル補聴器の研究においても，ラウドネス補償処理をすベてディジタル信号処理法に基づいて実現した世界初の実用化研究に従事されました。更に，3次元音空間知覚過程を頭部運動を含む多感覚情報処理過程と捉え，その知見を生かした頭部運動感応型3次元音空間情報提示システムの開発にも携わってこられました。