フェライト系ステンレス鋼の熱間圧延時に鋼板に生じる肌荒れの発生機構

摘要

フェライト系ステンレス鋼板の熱間圧延において，鋼板に肌荒れど呼ばれる表面欠陥が生じやすい。肌荒れは次工程の生産性を阻害する重要な課題であるが，その発生機構は十分に明らかにされていない。本研究では，トライボシミュレータを用いた熱間すベり圧延実験を行い，その発生機構を調査した。鋼板に生じる肌荒れ欠陥は，ロールバイト内での高面圧によりワークロールどステンレス鋼間で凝着が生じ，その後，ワークロールが鋼板よりも先進するため，凝着部が母材よりも先進しょうどし，鋼板表層部がせh断応力により母材から剥離して折れ重なるこどによる欠陥であると推定した。また，肌荒れ欠陥の抑制には，硫黄系添加剤を含有した潤滑油の供給が有効であるこどを確認した。