「すべての生命の保障」を希求する沖縄県民の闘い

摘要

2015年4月5日，菅官房長官と沖縄県翁長知事の会談が行われた.その内容は，特筆に値する.官房長官は沖縄担当相として，普天間基地の危険性除去と基地負担の軽減，それに沖縄の経済振興を説いた.それに対して翁長知事は，周到な準備に基づき，〈辺野古ができなければ世界一危険と政府が言う普天間は固定されるのか，「危険性除去の負担は沖縄が持て，お前たちは代替案を持っているのか」，こういった話がされること自体が，日本の政治の堕落ではないか，そもそも沖縄が自ら基地を提供したことはないのであって，すべての基地は強制接収されたものだ〉と応じた.また，〈辺野古の新基地は，絶対に建設できないという確信を持っている，14年の知事選挙で10万票の差で私が当選し，辺野古基地反対の圧倒的な民意が示された，これは前知事の埋め立て承認への審判だ，「粛々」と問答無用で強行したら起きうる事態はすべて政府の責任だ〉と加えた.