THE CATHOLIC BUILDING PROFESSIONAL ADVISORY GROUP AND ITS SPIRITUALITY: LAITY INVOLVEMENT IN CHURCH BUILDING SYSTEM OF THE CATHOLIC DIOCESE OF HONG KONG

摘要

「天主教建築専業諮詢小組（Catholic Building Professional Advisory Group, CaBPAG)は、カトリック香港教区の建築及発展委員会（DBDC)の下部組織として、2006年に設立された。直接的な設立の要因は、小教区の営繕案件の増加とDBDCの人員不足であり、建設分野のボランティア専門家集団によるアドバイスが主な活動である。しかし、CaBPAGの本来の目的は、同じ建設分野の専門家の信徒同志が霊性を養う場として構想された。CaBPAG内では、小教区施設や教区墓地営繕支援のチームとともに、霊性チームが設立された。CaBPAGの特徴は、施設営繕と霊性滋養を相互に関連して計画•実施し、統合しているところにある。CaBPAGが信徒の霊性の場となった背景には二つの流れがある。一つは、1960年代以降、カトリック教会が第二バチカン公会議などにおいて信徒の霊性が聖職者と等しくあることを認め、重要視されるようになったことである。また同時期にカトリック教会外では、「新霊性運動」などとも称される、既存の宗教にとらわれない霊性が興隆した。二つめは、香港固有の文脈である。1980年代に決定した香港返還にともなって、香港の信者は信仰の自由に対する危機意識を抱くようになった。この危機意識から、営繕活動のなかに霊性の実現をめざした。また、このような香港の一般信徒は、霊性の希求というものをとおして、カトリックとしてのアイデンティティ、しかも個人ではなくコミュニティとしてのそれ、をより確固としたものとしているといえる。さらに、信徒自らが霊性理念を構築するという顕著な事実は、香港社会全体の成熟の証左であるといえる。このようにカトリック香港教区における営繕への一般信徒参画の試みは、信徒の学識活用といった技術的レベルにとどまらず、彼らの自発的な霊性活動すなわち信仰として新たな展開をみせている。%Catholic Building Professional Advisory Group (CaBPAG) was established in 2006 under Diocesan Building and Development Commission of the Catholic Diocese of Hong Kong. The CaBPAG was called for to assist building and maintenance of church and related facilities by involving the volunteer laity of building professionals. This study revealed that the laity integrated the spiritual activities and professional contribution in building projects within the CaBPAG. Such pursuit of spirituality can be understood within the context of worldwide development of spirituality since the 1960s and the local context of Hong Kong such as endangered religious freedom.