地震災害における「サービス付き高齢者向け住宅」避難行動と防災課題に関する研究鳥取県中部地震に基づく実態調査

摘要

近年，我が国は大規模な地震災害に相次いで見舞われており，死者数の多くを高齢者が占めている~(1))。高齢者の避難行動には加齢による心身状況の低下も懸念され，高齢者の住まいにおいては高齢入居者の心身状況に適した防災•避難計画の検討が求められる。「サ高住」では，これまで既往研究で明らかとされてきた「高齢者施設」や「高齢者住宅」と防災状況，入居者の心身状況，職員体制が異なる。そこで，本研究では鳥取県中部地震の被災地にある「サ高住」を対象に，「サ高住」の(1)地震災害に関する防災計画の状況，(2)地震発災時の入居者の避難実態と職員の介助•外部からの救援状況(3)地震災害に関する防災上の課題について明らかとすることを目的に，管理者に対するヒアリング調査を実施した。