日田豆田町における町家平面の改変実態について

摘要

重伝建地区・日田豆田町の伝統的町家64棟を対象として，建築当rn初からの1階半面の変化を検討した報告である。当初には，通り庭とrnこれに平行する床上部からなる平癒の建築を店舗等併用住宅として用rnいるのが支配的だったが，現状では店舗機能を引き継いだ場合には床rn上部の土間化が進み，専用住宅化した場合には通り庭に床が張られるrn傾向にあることが示されている。現状調査と復原調査の双方に基づきrn定量分析を行っている点が本報告の主たる貢献であり，説得的な議論rnが行われている。紹介されている個別の改造事例も劇的な平面の変化rnを示しており興味深い。①近代以降の多くの町家で2階が居室化してrnいるが，1階平面の変化は2階平面と如何なる関係を持つのか，②旧rn市街地では町家から店舗機能が失われつつあるが店舗空間は如何に変rn化しつつあるのか，③町経みが伝建地区化すると町家には如何なる影rn響が及ぶのか，などが著者から託された課題であろう。