佐渡宮大工間島家とその建築活動について

摘要

従来，大工職人に関する史料研究は主として関西や関東の幕鰍こ属する棟梁や大工組，著名な彫刻師などがほとんどで，今回のようにあまり知られていない地方の大工職人に関するのは，大変貴重な研究といえる。間島家は佐渡島に居住する宮大工, 彫刻師として江戸時代中期から続く家柄で，19世紀初期から昭和40年までの4代にわたる約140年間に，104件に及ぶ普請があげられている。私は明治以降の記録に注目したい。それまでの宮大工の技術が近代和風建築として社寺建築や住宅に取り込まれた過程が，現存する建物を調査することで可能となる。各地には間島家のように地方で活躍し，すばらしい建築を残した大工棟梁家には建築活動を記録した史料がほかにも残っている。しかし，家人が秘密にしたがる傾向があり，その所在が明らかになっても公開され研究がなざれるのは困難とみられる。この研究は著者の誠意によって詳細な研究が可能になったものと評価される。%We study about source and building activity about the Majima family of carpenter specializing in building shrines and temples in Sado Island. It was based on a historical records owned by the Majima family and a historical records related of those. The purpose of this study is to accumulate information precise.