介護保険制度導入後の高齢者適所介護サービス充足度の変化

摘要

This paper aims at explaining the effect and subject that the new supply of the day care facilities brought by comparing the level of service sufficiency of local governments in 2000, 2005 and 2010. The sufficient occasion average was raised drastically, but the gaps increased among the local governments, so the expansion tendency of the area gap problem of welfare service supply was pointed out.%本報告は，人口減少と高齢化が進行している山口県をモデルとして，介護保険制度が導入され10年が経過した時点での高齢者適所施設の整備プロセスとサービス充足度を解析したものであり，時宜にかなった技術報告集に相応しい内容となっている。特に，人口推移と施設整備プロセスのそれぞれについてクラスター分析から都市を類型化して整備プロセスの特徴等を読み解こうとした分析?考察の観点は評価できる。又，この10年の整備プロセスのなかで，民間や医療法人が設立する小規模施設が増加していることを示した上で，‘地域に存在する空き家等を活用して小規模施設を利便性の高い中心集落等に分散配置すること’の有効性を指摘している点は優れた見識といえる。尚,利用者の介護度分布と施設規模類型，施設整備類型との関係や，各施設の利用圏域と充足度の関係など，今後の継続的な分析?報告が待たれる。