既存RC建物におけるコンクリートの力学的性能

摘要

Mechanical properties of concrete are important factor in the seismic evaluation of the existing reinforced concrete buildings. Maximum strength and Young's modulus are directly related to the strength and the stiffness of the RC members respectively. Young's modulus is concerned with the evaluation of the shear strength of the post-installed anchor bolts used in the retrofitting process. In this paper, the mechanical properties of the concrete in the structural member were discussed based on the stress strain curves which were obtained from the compressive tests.%既存鉄筋コンクリート造建物の耐震診断や耐震補強において，使用されているコンクリートの強度については詳しく調査し，建物の構造性能評価に利用されているが，ヤング係数については，偏心率や剛性率の評価のもとになる剛性評価および，あと施工アンカーの強度算定に大きく影響にもかかわらず，現状では，ほとんど注意を払われていない。本報告はこの点を憂慮し，比較的コンクリート強度が低い範囲における，圧縮強度と竣工年，ヤング係数と圧縮強度，圧縮強度と圧縮強度時歪について検討を行っている。圧縮試験から得られるヤング係数はRC規準式による推定式より約13～14%低い傾向にあること，梁?小梁より柱から採取したコアのヤング係数が幾分低い傾向にあり，軸力の影響が推察されることを指摘している．今後，耐震診断や耐震補強において取り入れるべき要素であり，データの蓄積が必要と考えられる。