風洞実験より得られた層風力のサンプル数が高層建築物の時刻歴風応答評価に及ぼす影響

摘要

In evaluation of wind-induced responses through time-history analysis based on stationary random process, its responsive value must be dealt with numerous numbers of statistics. However, the designing value is often determined from the small number of samples because of limited time and expense in practice. Therefore, it is important and necessary to grasp dispersion of wind response from small number of samples. In this paper, the dispersion of wind forces and wind-induced responses are investigated from wind tunnel tests. Then, the influence on wind responses due to the difference in the number of samples used as an ensemble average is elucidated.%本報告は風力の時刻歴応答の計算を行った際，計算に用いる風力変動のサンプル数が変動風力，応答のバラツキにどの程度の影響を及ぼすかを，風洞実験によって得られた風力変動の時刻歴データを用いて検討したものである。通常，実施設計では数個のサンプル数を用いた時刻歴応答解析結果の平均値が用いられることが多いが，本報告に示されたのは，精度良い結果を得るためにほ少なくとも数10個のサンプル数を用いて計算する必要があるということである。本結果は，通常の方法で得られる時刻歴応答結果が，かなりバラツキのある結果の一つであるということに留意をする必要があることを設計者に対して警告している。なお，本報告では応答の平均値のみを検討しており，実施設計で問題となる応答の最大値について述べたものでない。実施設計で用いられる応答の最大値については，更なるバラツキが予想されるので，設計者は結果を注意深く検討する必要がある。