東北地方太平洋沖地震における超高層免震建物の挙動

摘要

東北地方太平洋沖地震では,大振幅で継統時間が長く,長周期成分が卓越した地震動が首都圈で観測されており,超高層や免震建物などの長周期構造物がこれまでで最も厳しい入力を受けたといえる。本報告はそのような例として,超高層免霣建物の挙動を本霣•余展の記録により示し,モデル化の検証を行ったものである。種々の条件も示されており,今後の免震建物の設計にフィードバックしうる資料といえる。これに加えて可能であれば,地震による建物への影響の記述を望みたい。たとえば建物や免震装置の損傷,建物特性の変化の有無,本震時の室内被害状況などである。本農以前の地震記録ゃ本震中の非定常特性から振動特性の変化を示すことも有効と考えられる。さらに将来の広域大震災に向けて,構造的な安全性だけでなく,機能面も含めて建物利用者•所有者に向けて情報を公開するモニタリング体制への発展が期待される。%Performance of the super high-rise seismically isolated building during the Great East Japan Earthquake was reported. The response acceleration of the top floor was almost same as that of the 1st floor. The maximum displacement of the isolation devices was 15 cm, and the cumulative displacement was about 10 m. The dynamic response analysis, considered variation of the characteristic of rubber bearing, ambient temperature and so on, was coincident with observed records.