伝統的山間集落保存における防災計画手法の構築に関する研究(その1) 静岡県焼津市花沢重要伝統的建造物群保存地区の防災的概況と火災対策上の基本的課題

摘要

花沢地区は山間部の谷地にある山村集落であり、2014rn年9 月18 日に重要伝建地区に指定された。伝建地区の範rn囲は、宅地・道路だけでなく、それらの畑地や周辺の山rn林、川を含めて選定されている。伝建地区における防災rn計画の策定は多数の地区で行われているが、対象地区のrnような山間集落については災害要因の具体的分析に立脚rnした防災計画事例は殆ど見られない。しかし、過去に全rn国の伝建地区において、文化財防災の視野に入り難い水rn害、土石流災害、雪害等の気象災害も記録されており1),2)、rn山間ではその発生の恐れは大きい。一方、山間で歴史的rn建築物が集落として長期にわたり持続したのは、これらrnの災害要因を基本的に克服できたことを意味しており、rn今後の防災計画に反映させる必要は大きい。